胸部の違和感に対して自分でやるべきことは

胸部の違和感は、息切れ、締め付け、胸痛、チクチク、のどが詰まる感じ、心臓が飛び出す感じ、気が遠くなる感じ、など人によりさまざまです。同時にしばしば感じるのは不安感、焦り、追い詰められた感じ、手足のしびれ、冷や汗、血の気の引く感じ、吐き気、などの症状でしょう。原因は何か?と考える前にまず自分でやるべきことは、深呼吸して、水を飲むことです。先ほど挙げた症状のほとんどは自律神経という体をコントロールする神経のネットワークの中の、頑張る神経である交感神経の興奮によって引き起こされます。深呼吸と水を飲む行為は副交感神経を刺激して交感神経の興奮を押さえます。副交感神経の優位は血圧を下げ、脈をゆっくりにして、冠動脈や体の血管の強い収縮を広げて、神経、筋肉に血流を再開させることで神経痛や狭心痛を改善します。次に、血管内にいわゆる脱水、体液不足があると交感神経が興奮しやすくなりますのでこれを改善しましょう。体液不足を改善するには、経口補水液、塩飴、甘いもの、味噌汁、スープを摂取すると良いでしょう。行楽で疲れた時に喫茶店に入って甘いものを食べたり、飲んだりすると楽になりますよね、梅昆布茶でも楽になりますね。これは糖質や塩分が体液を補充して体液不足を解消することで自律神経の環境や循環が安定するという事です。若いころは血管が柔らかく、心臓の予備能力が高いので、多少の体液不足や自律神経へのストレスに強いのですが、年齢を重ねると血管が硬くなって環境の変動についていけなくなって、入浴、お出かけ、運動、行楽、スポーツにおいて破綻しやすくなります。半身浴にしたり、運動量を減らすなど、負荷を減らして体を大事にするのも結構ですが、交感神経と副交感神経のバランスを考えて自律神経を良好な状態に保ちながら、体液の維持に努めるとトラブルが少なくなります。もっとも自分で解決できることばかりではありません。最初に申し上げた胸部の症状には、遺伝的な体質、冠状動脈の収縮や狭窄、不整脈、弁膜症などの病的な状態が潜んでることが多いです。胸部レントゲン、心電図、血管年齢、循環器の採血、心エコー、1日ホルター心電図やトレッドミル運動負荷検査などをすると自分の状態がよくわかります。自分の体をよりよく理解して安全な人生を送りましょう。(爽心会 心臓クリニック藤沢六会 磯田 晋)