LDL 悪玉コレステロールを下げましょう

LDLは悪玉コレステロール、HDLは善玉コレステロールと呼ばれます。

血管内皮は喫煙、血圧、酸化物質、高血糖、体内の炎症、精神的ストレスなどによる損傷のリスクにさらされています。道路に例えると、ダンプが通るとアスファルトが痛んで穴が開きます。道路でしたらアスファルトを持ってきて穴を埋めて修復しますが、血管内皮では白血球がこの穴をふさぐ働きをしています。血中にLDLが多いと、白血球がLDLを掃除すべく食べます。LDLをたくさん食べた白血球はダメな白血球になって上手に血管内皮の損傷を治せなくなってしまします。上手に道路の穴をふさげないと、また道路に穴が開いて、へたくそな修復を繰り返しているうちに、田舎のでこぼこ道のようになってしまいます。これが動脈硬化と呼ばれ、この凸凹がプラーク、粥腫と呼ばれ、膨らんで冠状動脈を狭めると、息切れ、胸痛を起こす労作性狭心症を引き起こします。またプラーク、粥腫が膨らんで破裂すると血栓ができて血管を塞ぎ、心筋梗塞や脳梗塞を起こします。

もう一つのLDLの来す問題は冠攣縮や微小循環の障害です。血中にLDLが多いと血管の内皮細胞が不安定になり、動脈の壁にある平滑筋が収縮しやすくなります。平滑筋が収縮すると、血管の内腔が狭まり、心臓の血行が悪くなりますので、息切れ、締め付け、ドキドキ、胸痛、脳貧血で血の気が引いたりします。冠攣縮は運動でも起こりますが、安静時、精神的ストレス、ブルーライト、カフェイン、飲酒、喫煙などでも誘発されます。

さてLDLの目標はいくつでしょうか?生理の順調な女性は女性ホルモンで守られていますのでLDL160以下が目標です。男性と閉経後の女性はLDL140以下が目標です。狭心症、小さな脳梗塞、腎障害、糖尿病を持っている方はLDL100以下が目標です。心筋梗塞、冠動脈にステントが入っている方、頸動脈プラーク、大きな脳梗塞を起こした方はLDL70以下が目標です。

LDLが高いと言われた方は、コレステロールの摂取を控えましょう。食品では卵、特に黄身、魚卵、レバー、内臓、動物性脂肪を控えましょう。運動すると悪玉LDLが減って、善玉HDLが増えます。自分の努力で改善しない場合は薬が必要です。まずはコレステロールの吸収を下げるエゼチミブ(ゼチーア)が効果は弱めですが、副作用が少なめです。エゼチミブで不十分な方はスタチンです。遠藤章さんがカビの中からこの薬剤を発見したおかげで何億人もの方が寿命を延ばしました。スタチンの弱点は筋肉痛です。筋肉の膜の成分にコレステロールが多く含まれるために、スタチンは筋肉痛を起こしやすく、筋肉痛を起こす方は自分に合ったスタチンを探す必要があります。次の一手はベムペド酸(ネクセトール)です。その他スタチン同様に生命予後を改善する効果があるのは、イワシ油であるEPAです。

まとめ 悪玉コレステロールLDLは動脈硬化や血管内皮不安定を通じて、労作性狭心症、心筋梗塞のみならず、冠攣縮性狭心症、腎障害、脳梗塞の原因となります。自分の状態に合わせて、食生活、運動、薬剤で適正に調節して健康を保ちましょう。(2026/4/1爽心会 心臓クリニック藤沢六会 磯田 晋)