認知症の予防
認知症は脳神経の老化です。予防のためにできることは、①神経の栄養供給のために血管と代謝を守る、②神経の活動を保つ、です。
まず生活習慣による予防を考えましょう。①血管と代謝を守るためには、1.煙草をやめる。煙草を吸い続けると7年早く認知症になる強い因子です。2.血圧を適正にする。来院時血圧130/80以下、自宅血圧125/75以下を目標にする。3.糖尿病を治療してHbA1Cを7以下にする。4.悪玉コレステロールLDLを140以下に保つ。5.肥満を改善する。6.中性脂肪TGを150>に保つ。7.酒を減らす。8.カフェインを摂りすぎない。9.スマホ、パソコンのBluelightをカットする。10.週3回30分の運動をする。11.十分な睡眠を取る。12.尿酸を下げる。13.野菜を食べる。14.豆腐、海苔、シジミを食べてMgを取る。15.魚食品を食べる。16.大豆食品を食べる。17.オリーブオイル、ごま油、あまに油をとり、悪い油である、ラード、マーガリン、ショートニング、トランス脂肪酸、クッキー、ポテトチップを控える。18.歯をよく磨き、口腔内細菌叢と腸内細菌叢を改善する。次に②神経の活動を保つためにできる生活習慣は、1.難聴を放置しない。2.人との会話を心がける。3.読書する。4.積極的な運動。5.仕事や社会活動を継続する。
次に薬剤などを用いた予防方法を考えましょう。①血行と代謝については、血圧適正化に降圧剤を使用。糖尿病には糖尿病薬を使用。悪玉コレステロールにはスタチン、吸収抑制薬を使用。イワシ油のEPAは数値目標から独立した血管予後改善効果があり推奨されます。不眠症には、認知症を誘導しないベルソムラ、デエビゴ、ク―ビビックが推奨です。②神経活動を守るには、帯状疱疹の不活化ワクチンの接種で、水疱ウィルスによる脳神経障害を防ぐことで認知症を40%減らします。
認知症発症後は進行を遅らせる薬があります。認知症の70%を占めるアルツハイマ-には、レカネマブ、ドナネマブが発売されましたがまだ高額です。対症療法ではアリセプトなどが軽~中等度で用いられ、メマンチンが中〜高度の症例で使用されます。その他、抗精神病薬、抗うつ薬、睡眠薬などが用いられます。
まとめ 認知症の予防には、①神経の血行と代謝を改善するために、禁煙、血圧、血糖、コレステロール、脂質、尿酸、体重、運動、魚食、大豆食、野菜摂取の適正化が必要です。次に②神経活動を改善するために、難聴治療、会話、読書、社会参加が必要です。持っている疾患を適正に制御したうえで、血行改善にはEPAを摂取、神経活動には帯状疱疹の不活化ワクチンを接種することが、現在我々にできる認知症予防策です。(爽心会 心臓クリニック藤沢六会 磯田 晋 2026/4/12)

