帯状疱疹ワクチン

子供のころ水疱瘡にかかって治ると、原因である水痘ウィルスは消えてしまうのではなく、脊椎にある神経の根っこに、そーっと何十年間も潜んでいます。体の免疫が落ちてくるとゲリラが出てくるように何処かの神経の根っこから出て神経に沿って繁殖して皮膚に向かって出てきて発疹と痛みをきたすのが帯状疱疹で、生涯30%の方に発症します。帯のように皮膚に出てくるのは、この脊椎ごとにある神経根につながった神経が帯状に分布しているからです。「皮膚分節」と調べると神経の分布の広がりがわかりますので皮膚分節に沿って発疹や痛みが出ていると帯状疱疹の可能性が濃厚です。

最初は皮膚に痛みが出て、数日たつと皮膚にブツブツができて体の左右のどちらかに帯状に、胸から背中に広がることが多いですが、頭や足腰にも起こります。ここで放置して、悪くなってから病院にかかると、神経痛が後遺症として残る事が多いので早めに受診しましょう。抗ウィルス剤をのんで、ブツブツにはコンベックなどのステロイドの入っていない炎症を抑える薬を塗りましょう。ブツブツが治まってきても痛みが残る場合は、リリカやタリージェなどの神経痛の薬を使いましょう。帯状疱疹後の神経痛は20-30%と言われ、1年以上続くこともありますので問題です。水疱瘡と違って、帯状疱疹による免疫獲得は不十分で、再度の感染も5-10%に起こりますのでワクチンの接種が推奨されます。

帯状疱疹のワクチンには従来からある生ワクチンと新型の不活化ワクチンがありますが、値段が大きく異なります。公費の補助がない場合の生ワクチンは1回接種で6500円から1万円程度、不活化ワクチンは2回接種が必要で4-5万円程度です。公費の補助があると生ワクチンが4500円、不活化ワクチンは2回接種で2.4万円程度です(藤沢市、自治体により異なります)。注意を要するのは、生ワクチンは70歳未満の方には60%有効で、70歳以上の方にはほぼ無効なことです。一方不活化ワクチンは年齢に差がなく90%の方に有効です。副作用は不活化ワクチンの方が多く、注射部位の筋肉痛がよく起こります。副次的効果としては、水痘ウィルスはアルツハイマー病の原因の一つと言われており、生ワクチンで20%、不活化ワクチンで40%程度認知症の発症を低下させるようです。現時点では公的補助は生涯1回です。65歳の方はコスパを考えれば生ワクチン。より確実に長く予防するには高額な不活化ワクチン、70歳以上の方は高額ですが不活化ワクチン1択になるかと存じます。

まとめ 帯状疱疹は神経痛の後遺症が20-30%の方に起こります。安めの生ワクと高めの不活化ワクチンがあります。65歳の方は生ワクチンか不活化ワクチン、70歳以上の方は不活化ワクチンの接種をお勧めします。副次効果としてワクチンはアルツハイマー認知症発症を減らします。(爽心会 心臓クリニック藤沢六会 磯田 晋 2026/4/5 )