貧血、ヘモグロビン低値、血色素低値、といわれたら

貧血と言われると、気が遠くなる、あるいはふらつく、というイメージがあると思います。この原因の一つが血液が足りていない貧血で、血液が足りているのに脳血流が落ちて症状が出るのは脳貧血ですので、また次の機会にお話ししますね。検診で指摘される貧血、ヘモグロビン低値、血色素低値は採血結果の異常です。血液は鉄を主な原料としてビタミンや腎臓で作られるホルモンの力を借りて、骨髄で作られますが、生理出血や消化管出血などで消耗されます。

若い女性で多い貧血は生理出血による貧血です。生理出血が多い方はホルモンアンバランスや子宮筋腫の可能性がありますので婦人科を受診して下さい。生理出血が少なければ速やかに血液が作られますが、出血量が多いと出血に伴って体内の鉄が足りなくなり、鉄欠乏性貧血という状態になります。鉄の摂取は、赤身の肉、シラス、レバー、緑の濃い野菜、などで摂取できますが、十分摂取できないときは薬やサプリで鉄を摂取します。処方薬の鉄は量が多いので便秘、胃痛、吐き気といった副作用が起こりやすく、鉄さびの色で便が黒くなります。鉄剤は食事と混ぜると副作用が出にくいので食直後や食事中に内服するのも一つの方法です。鉄サプリでは内服薬より量が少ないので副作用が起こりにくいようです。例えばDHCのヘム鉄だと約10カプセルで処方鉄剤の1錠分程度になります。鉄剤を内服する時にビタミンCを一緒に内服すると吸収がよくなり、お茶を飲むと鉄の吸収が悪化します。内服が苦手な方は注射も一つの方法です。

男性、閉経後の女性では、血液がどこかから失われている可能性を考えましょう。まずは大腸ポリープ、これは簡単な検便で調べることができます。大腸がんになる前に早目に見つけましょう。次は胃炎、胃潰瘍です、胃カメラを受けましょう。

他の原因としては、緑の野菜に含まれる葉酸、豚肉に含まれるビタミンBなどの不足が原因であることもあります。お酒を飲む方はお酒の代謝でこれらのビタミンが消耗されて貧血の原因になることがあります。腎臓で作られるエリスロポエチンというホルモンは血液を作るのに欠かせませんので、腎臓が悪いといわれた方はこの可能性も考えましょう。

ご高齢になると骨髄の機能が低下して血液を作る能力が低下して貧血になる場合もあります。また炎症性腸疾患、大腸憩室出血、体内の慢性的な炎症、悪性腫瘍、血液疾患、血栓症、動脈硬化、不整脈などが貧血の原因になることもあり、貧血をきっかけに全身疾患が見つかることもあります。

血液は心臓から酸素を運ぶ大事な乗り物です。血が薄い貧血は心機能や肺機能が落ちているのと同等の意味を持ちます。貧血を改善すれば健康的な生活が期待されます。たかが貧血と思わないで積極的に改善していきましょう。

まとめ:貧血、ヘモグロビン低値、血色素低値、を指摘されたら、若い女性では生理出血の過多と鉄不足を考え、男性と閉経後の女性では大腸や胃の悪性腫瘍を否定しましょう。貧血は心肺機能を低下させ、全身疾患のサインであることがありますので、早めに治療しましょう。(爽心会 心臓クリニック藤沢六会 磯田 晋 2026/9/30)