浮腫(むくみ)その3 病気に伴う浮腫
9月 22, 2025
浮腫の原因には、立位、運動不足、静脈の障害、リンパ管の障害、体液の薄さなどの問題がまず挙げられますが、ここでは全身の病気による浮腫について考えてみましょう。
静脈圧が上がるとむくみやすくなります。心臓はポンプで、与えられた血液に力を加えて体に向かって押し出すのが仕事です。心臓の能力が落ちると、与えられる血液をため込んで、静脈圧が高くすることで能力を保ち、浮腫の原因となります。次に腎不全が重症になると過剰な体液を体外に排泄することができない為に静脈圧が上がり浮腫の原因になります。甲状腺機能低下では心不全に加えて、ミネラルバランスの悪化や代謝低下で浮腫をきたします。ステロイドによる体液保持の亢進も主に静脈圧上昇をきたして浮腫の原因になります。
体液が薄くなり浮腫をきたす病気では、タンパク合成能力の低下をきたす肝硬変、タンパクを尿中に漏らしてしまう腎臓の病気であるネフローゼ症候群、タンパク漏出性胃腸炎があげられます。
血管透過性の亢進でもむくみが起こります。蕁麻疹などのアレルギー、蜂窩織炎など感染による炎症、一部の降圧薬の副作用では静脈の壁が体液を通しやすい状態になりむくみをきたします。風邪による炎症でもむくみますね。
(まとめ)浮腫の原因となる全身の病気では、静脈圧を上げる心不全、腎不全、甲状腺機能低下、ステロイド使用があげられます。タンパク低下でむくむのは肝硬変、ネフローゼ症候群、タンパク漏出性症候群貧血です。血管の透過性亢進ではアレルギー、感染、降圧剤使用があげられます。(爽心会 心臓クリニック藤沢六会 磯田 晋)
