食後に手が冷える
10月 15, 2025
食事をした後に具合が悪くなる方は相当数いらっしゃいます。食事をすることはお腹を動かすことです。休んでいた胃腸が動くと、胃腸の血管が開いて体内の血液が胃腸に移動します。結果的に心臓に帰ってくる血液が減少して、手足、脳、心臓の筋肉への血行が悪化することがあります。手足への血行が悪化すると、手足の血管は収縮することでバランスを取ろうとしますので、手足が冷えることが起こります。また脳への血流が低下すると、眠気などの症状を起こします。心筋への血流が悪化すると、動悸、息切れ、胸部の締め付け、胸痛、冷や汗などが起きることがあります。さて、そのような症状が出やすい方は、食事の最初に塩分である、味噌汁やスープを摂取しましょう。塩分が体液を増やしてくれますので、その後の胃腸の動きと血管の開きに対応してくれます。葛根湯や補中益気湯などの体液を増やす漢方を食事前に摂取すると、おおむね味噌汁1杯分に相当する体液の増加をもたらしますので食後は安定します。手足の冷えのような循環の虚脱をきたしやすい方は、食事以外では、飲酒、入浴、炎天下、運動、海山の行楽、モールやアウトレットなどでの買い物でも同じことが起こりやすいので、体液の維持のためにスポーツドリンク、経口補水液、塩飴などを摂ってください。
まとめ 食後の手の冷えは、胃腸の動きに伴う血液の移動に伴う循環虚脱を意味していますでの、食事の最初に味噌汁やスープをとって体液を増やしましょう。(爽心会 心臓クリニック藤沢六会 院長 磯田 晋)
