足が攣る
足の攣り(つり)は筋肉収縮をコントロールする神経と筋肉の過剰な興奮の連鎖で起こる筋肉の痙攣です。電解質バランスの不良、体液の欠乏、運動不足の方の運動しすぎ、で起こります。電解質は塩分であるナトリウム、野菜やおかずに含まれるカリウム、豆腐、海苔、アオサ、シジミやアサリに含まれる海のミンネルマグネシウムなどの欠乏で攣りやすくなります。ミネラルのアンバランスと体液の欠乏は利尿効果のある、飲酒、カフェイン、一部の降圧剤や糖尿病薬などによって起こります。お酒を飲んだら野菜ジュース、トマトジュース、味噌汁、スープや経口補水液をとることは塩分やカリウムなどのミネラルを補充するのに役立ちます。
攣ってしまったら、過剰な収縮が悪循環をきたしますので、筋肉を伸ばすことで筋肉の過剰収縮が収まり治りやすくなります。芍薬甘草湯という漢方が即効性と予防効果があって有効です。良く運動不足の方がゴルフに行って筋肉を酷使して、汗をかいた上にビールを飲んで脱水、ミネラル欠乏を起こして帰りの車で運転中に足をつらせて帰れなくなるのを防ぐために、芍薬甘草湯を飲んでから帰るのもよい方法です。西洋の薬では筋弛緩薬を用いますが即効性は劣りますね。強い筋肉の痙攣は筋肉の障害をきたして痛みが残りますので、抗炎症剤入りのシップを張るのも一つの方法です。
足の筋肉の痙攣は、熱中症の一つの現れでもあります。塩分と水分、経口補水液を十分摂取するようにしてください。水だけ多量に摂取するとミネラルが薄くなって悪化することもありますので、スポーツドリンク、経口補水液、塩飴、味噌汁、ラーメン、そばつゆなどを摂取するようにしてください。塩分は適量が大事です、塩は敵、といった風潮がありますが、汗をかくシーズン、筋肉が痙攣をお越しているときは十分な塩分摂取を心がけてください。 (爽心会 心臓クリニック藤沢六会 磯田 晋)
