認知症が心配な方は
認知症は脳の機能の老化です。脳は血流豊富な臓器です。逆に言えば血流が乏しいと脳の組織が悪くなり認知症になっていきます。もっとも良くないのは煙草です。煙草はガンが2倍、寿命が7年短くなることがわかっていますが、認知症も7年早くなります。煙草のニコチンが血管を収縮させて脳の血流を低下させて、一酸化炭素が血液の酸素の運搬を落として酸素の供給を落とします。その他、高血圧、狭心症、糖尿病、コレステロール、尿酸、腎障害など動脈の硬化や収縮の原因となる病気が脳の血管を老化させて認知症の発症を早めます。
検査としては長谷川認知症スコアが手軽です。30点満点で、名前、年月日、引き算、野菜の名前、短期の記憶など、ごく当たりまえの質問で点数を付けます。25点以上なら正常、20点以下は認知症の可能性があり、10点以下は重症です。
認知症が心配な方は、自分が持っている病気を知ることと、そのコントロールが大切です。思い当たる病気がなくて、自分の親兄弟、祖父母に認知症の方がいらっしゃれば、脳の血流を改善するためにイワシの油であるEPAをお勧めします。EPAは血管の加齢を3割遅らせる能力があります。
血管を長持ちさせるには自分の自律神経を整えることが大事です。煙草は厳禁、お酒は控えめ、カフェインも控えめに、パソコンやスマートホンのブルーライトをカットして、夜はよく寝て、眠れない方は長期処方が可能な5種の睡眠薬(デエビゴ、ベルソムラ、リスミー、ルネスタ、ロゼレム)を使いましょう。汗をかく運動を週3回、カリウムを含む野菜をよく食べて、マグネシウムを含む豆腐、海苔、シジミやアサリを食べ、魚や練り物を食べ、大豆食品、オリーブオイル、ゴマ油をとって、よく歯を磨きましょう。歯周菌は腸に落ちると自律神経を劣化させますから。
認知症にならないことは、血管を長持ちさせること、健康的に生きることと同じです。自分の弱点を知り適切に対応しましょう。(爽心会 心臓クリニック藤沢六会 磯田 晋)
