水の飲みすぎはミネラルを低下させます。

経口補水液やスポーツドリンクに比べると、水にはミネラルがほとんど入っていません。食事でとったミネラルは、水分の摂取で尿中に排泄されていきます。適度な食事によって十分なNa、K、Mgなどのミネラルが摂れていれば、水分の摂取によって適度なミネラルの血中濃度が保たれます。逆に食事が不十分で、水分をできるだけ飲んだ方がいいと頭で考えて、喉が渇かないのに一生懸命水を飲むと、ミネラルが低下して体調不良をきたします。Na低下は熱中症、めまい、立ち眩み、息切れ、胸痛の原因となり、KとMgの低下は筋肉痛、不整脈、倦怠感、食欲低下などにつながります。Naは塩分ですから、味噌汁、スープ、梅干し、塩飴などに含まれています。Kは生き物の細胞に入っています、野菜、果物、肉、魚、豆に含まれています。Mgは豆腐のにがり、海苔、海藻、魚介類に含まれています。水分の摂りすぎで体調不良をきたした際は、経口補水液、スポーツドリンクを摂取したり、おかずをしっかり食べることで改善します。ミネラルをしっかりとって、のどが乾いたら水分を摂取すること、尿の色を見て黄色かったら水分を摂取すること、体調不良の際は経口補水液などでミネラルバランスの調整を図ることが必要です。

カフェインやアルコールが過ぎる方でも同じようにミネラルの喪失が起こります。いずれも利尿効果があり尿中にNa,K,Mgなどのミネラルが排出されます。アルコールをとった後にラーメン、味噌汁、トマトジュースや野菜ジュースがおいしいのにはミネラルの喪失分を補うという意味があります。

適切な水分とミネラルバランスをとれているかは、なかなか自分ではわからないものです。尿の色を見ること、野菜、豆腐、塩分をバランスよくとり、時々尿や採血でバランスを確認することが大事です。(爽心会 心臓クリニック藤沢六会 磯田 晋)