脈拍数と心拍数が異なる 血圧計にハートマークがでる

血圧計の脈拍が30回でびっくりする事があります。心電図を測ってみると心拍は60回です。さてなぜこのようなことが起きるのでしょうか?患者さんの心電図は心室期外収縮の2段脈でした。心臓は肺から帰ってくる血液を左心室に十分ためてから大動脈に向けて拍出することで十分な拍出することができて、血圧の上昇が得られて脈として感じることができます。普段の心拍は洞結節というリズムどりの社長さんが今だよと声をかけて、心房が収縮して血液を心室に送り込み、0.2秒たってから房室結節という部長さんが心室全体に号令を出して心室が収縮すると心室から大動脈に向かって血液が60ml送り出されてこれが収縮期血圧となって脈として触れます。心室性期外収縮は社長さんのリズムより早めに、一般社員である心室の筋肉から収縮が起こります。心室期外収縮の収縮には心房の収縮が伴いませんので、心室に血流を押し込むことがありません。またせっかちな社員が収縮すると社長のリズムの収縮から時間が少ないので、心室に血液を貯める時間が短いために心室から大動脈に送り出せるのは一般的に10-30mlぐらいになります。この拍出では血圧を十分上げることができませんので、脈として触れることができません。心室期外収縮の2段脈では心拍は60回あっても脈が30回になってしますのはこのためです。同じような心拍数と脈拍数の不一致は、心房細動の時に多く起こります。心房細動では心室の収縮のリズムが一定でありませんので、心室の収縮の間が長い時は大きな拍出となり、収縮の間が短い時には小さい拍出となり脈を感知できません。心拍数より脈拍数が少なくなることが度々起こります。これは脈の所見で結滞と表現されますが、脈と脈の間に一定でない休みがあることを示します。また脈をとらなくても血圧計にハートマークが出て脈拍の不安定が示されることからもわかります。脈拍と心拍数の不一致は何らかの不整脈を意味しますので1日心電図で一度は検査することをお勧めします。

まとめ 脈拍数と心拍数の不一致、血圧計のハートマークは不整脈を意味します。1日心電計の検査をお勧めします。