熱中症に必要なのは塩分です
高温、多湿で体温を下げるのに必要なものはまず汗です。汗に必要なのは塩分と水分です。夏に室外で活動する時には1時間に塩分2g、水分500mlが必要です。炎天下のショッピングモール、テーマパーク、スポーツ、海、山、屋外の仕事には熱中症のリスクが潜んでいます。1時間に塩分2g摂取するには、スポーツドリンク500ml、塩飴2ケ、味噌汁やスープ1杯、梅昆布茶1杯、梅干し1ケが必要です。ラーメンやソバ、カレーライスでは4gぐらいの塩分が摂れます。塩分をとれば喉が乾いて自然と水を飲みたくなりますので体内の塩分量は適切に調節されます。
普段から塩分は悪いと刷り込まれている現代では、塩を積極的にとりにくい気持ちがある一方で、水分は積極的にとる方が多いようです。熱中症になると倦怠感、めまい、立ち眩み、体の暑さを感じますが、症状が出てから、塩分でなく水分を摂取すると、汗をかいて体内の塩分であるナトリウムが枯渇しているのに、ますます塩分ナトリウムが薄くなって低ナトリウムによる意識障害がおこって倒れてしまいます。
高血圧などで普段塩分を控えている方も、日本の7月8月の屋外では積極的に塩分を摂取しましょう。食事から入ってくる塩分は1食で塩分2gで3食で塩分6g、これでは高温多湿の夏の日本の屋外活動の発汗には不十分です。3時間活動する方はプラス6gが必要です。スタミナの付く食事と言われるものは塩分が入っているということです。活動の強さと天候によって臨機応変な塩分摂取をお願いします。
まとめ 日本の高温多湿の7月8月の屋外活動では1時間当たり2gの塩分が必要です。2gの塩分はスポーツドリンク500ml、味噌汁やスープ1杯、塩飴2つ、梅干し1ケ、梅昆布茶1杯で摂取できます。水分は喉が渇いた分をあとから飲めば大丈夫です。
(爽心会 心臓クリニック藤沢六会 磯田 晋)