腎嚢胞(じんのうほう)

腹部超音波を行うと指摘されて心配の種になる所見です。「悪性のものではないので大丈夫ですよ」と言われるだけで、なら何なの?と、もやっとすることが多いかもしれません。嚢胞がなぜできて、何に注意すればいいかを考えていきましょう。腎臓は血管が豊富にあり、血流から尿をつくる臓器です。腎臓の血管が痛むと、腎臓の一部に組織のダメージが起こります。組織が壊れると尿の流出が妨げられて溜りになり嚢胞が生まれます。イメージとしては地震でがけ崩れが川をせき止めるイメージでしょうか。せき止められた川は出口を失いますから湖をつくります。これが超音波で見ると嚢胞という所見となります。腎嚢胞を指摘される方は血管が弱いと理解してください。腎動脈壁の平滑筋が収縮しやすい素質を遺伝的に持っている、動脈硬化が進んできた、そのような可能性を考えましょう。血圧高め、コレステロール高め、血糖高め、肥満有りの方は自己管理や投薬で整えてください。血管が収縮しやすい素質を親から受け継いでいる方は、ご両親が狭心症、心筋梗塞、不整脈、ペースメーカー、脳梗塞、腎障害などをお持ちの方が多いですので、節制、サプリ、投薬で整えましょう。節制では禁煙、飲酒控えめ、カフェインレス、ブルーライトカット、睡眠十分、適度な運動、野菜、魚、練り物、大豆、オリーブオイル、ゴマ油などの摂取を心得て、歯を良く磨いて歯周菌による腸内細菌環境悪化を防ぎましょう。サプリではEPAがお勧めです。血管つながりで腎臓、脳、心臓、冷え性による末梢循環不全は共有されていることが多いので注意しましょう。

まとめ:腎嚢胞が体に悪さをすることはありませんが、腎嚢胞を指摘された方は血管の障害を起こしやすい素質をお持ちの可能性がありますので、節制をお願いします。