夜尿 頻尿

歳をとるとお小水が忙しくなってきます。トイレに行きたくなると若い頃のように我慢ができなくなり、おもらしをしてしまうことも起こりやすくなします。男性の場合では、尿管が精液を作る前立腺の中を通っていますが、この前立腺が育ち続けて尿道を押さえつけて尿が出にくくなります。尿が出にくくなると1回あたりの排尿量が減り、排尿後に膀胱に尿が残るために、尿が少したまるとすぐ膀胱がいっぱいになり尿意をきたしやすくなります。女性の場合は加齢による骨盤の筋力の低下のために尿道の緊張が保ちにくくなり、尿が我慢しにくくなります。

日常生活では、利尿効果のあるアルコール、カフェイン、お茶のテオフィリンが尿量を増やしますのでほどほどにしてください。塩分やミネラルをとらずに水だけ一生懸命飲むと体に水分を保持できずに頻尿になります。

以前、降圧剤によって夜尿が増えることが多いことを2024年1月ブログの、夜尿と降圧剤、でお知らせしました。アダラート、コニール、アムロジンなどカルシウム拮抗薬やフルイトランやアルダクトンAなどの降圧利尿剤で特にその傾向が強いようです。その他にも尿意に影響を与える薬剤があります。糖尿病治療薬のうちSGLT2というグループの薬剤で、尿中に砂糖を排泄する薬剤では尿量が増えます。SGLT2はジャディアンス、フォシーガなど糖尿病治療の最初に投薬されることの多い薬ですが、ビグアナイド、DPP4など他の薬のグループに変えることもできます。足の浮腫をとるルプラックやダイアートなどの薬剤はもちろん頻尿になります。

頻尿を抑えるのによく用いられる漢方ではよく新聞などで宣伝される八味地黄丸です。映画や観劇の時に内服していくと、途中でトイレを気にせず楽しむことができます。西洋の薬では、膀胱の活動性を低下させるバップフォーなどが用いられ、男性では前立腺肥大を改善する薬剤も用いられます。 頻尿、夜尿、尿漏れ、困りますよね、泌尿器科が専門家ですが、内科にもできることはあるかもしれませんのでご相談ください。(爽心会 心臓クリニック藤沢六会 磯田 晋)