頭痛

頭痛はいろいろな原因で起こりますが、多くは風邪やインフルエンザのような炎症によって引き起こされます。一方、慢性的な頭痛には血管の虚脱が大きな役割を占めているようです。体液が不十分な状態になり、血液が血管を十分満たせないと、血管が虚脱して、三叉神経が興奮して頭痛が起きるようです。

お酒を飲んだ翌日にアルコールの利尿効果によって、体液不足、ミネラル不足になって頭痛を起こしているときに、味噌汁やスポーツドリンクを摂取すると頭痛が改善することはよく経験するところです。また、よく低血糖で頭痛になって甘いものを食べると治るといいますが、低血糖というよりは、体液不足になったところで糖質を入れて体液の浸透圧が上げて体液が増加することで頭痛から回復すると考えられます。食の細い方、ダイエットしている方、塩分を控えている方は、体内のミネラルと体液が不足していますので血管の虚脱が起こりやすいですね。また普段から血管が収縮しやすい方、運動不足の方、冷え性の方は頭痛になりやすいですね。血管は収縮したり拡張したりしますが、運動不足や冷え性の方は血管が収縮した状態になっていることが多く、この状態では体液が少ない状態でバランスをとっています。緊張が解けたとき、ちょっと塩分切れで脱水になったときなどに、血管が拡張すると、血管が虚脱して頭痛を起こしやすくなります。

対策としては、普段から血管をよく広げて、体液を多めにしておけば頭痛は起こりにくいです。血管を広げるには、運動や血の巡りの良くなる生活をする必要があります。煙草は最悪で、カフェインとお酒は基本控えめにして、現代的にはブルーライトが原因となっていることが多いです。他には緊張、睡眠不足も避けて、魚、練り物、大豆食品、オリーブオイル、ごま油を摂取する必要があります。体液を多くするには、塩分は控えず、カリウムを含む野菜をとり、マグネシウムを含む豆腐、海苔や海産物をとり、可能な限り3食食べて、食事を抜くときは代わりに塩分やスポーツドリンクや野菜ジュースぐらいは飲んでおくといいですね。味噌汁は味噌にナトリウム、野菜にカリウム、豆腐や海苔にマグネシウムが入ってるので理想的です。薬やサプリとなると、血管をふわっと上手に広げるのにはEPAがおすすめです。体液を増やすには漢方薬でカンゾウという成分を含む、葛根湯、補中益気湯や人参養栄湯などがおすすめです。

次に頭痛薬ですが、抗炎症薬が一般的です。ただし神経痛の要素の強い頭痛にはカロナールやロキソニンで効かない時があります。抗炎症薬の効きにくい現代人の頭痛で多いのはブルーライトの浴びすぎです。スマホやPCの設定でブルーライトを十分カットしてくださいね。眼精疲労に伴う頭痛、頸椎からくる肩こり頭痛、後頭神経痛は神経の痛みですので、神経の環境を整える必要があります。まずは血の巡りをよくすることです。経口補水液や味噌汁やミネラルを十分摂取して、葛根湯などを摂取しましょう。次にビタミンBを含む豚肉をとり、野菜ジュースを飲んで葉酸をとることが神経に大事です。それでも痛みが取れないときはタリージェなどの神経障害性疼痛にたいする薬を内服してみることになります。片頭痛と言われた方は血流改善や体液増加で片頭痛の頻度は減少しますので、まずは塩分やミネラルや漢方薬をとって、魚や大豆食品を増やしてEPAを飲んでみてください。また片頭痛には頓服の薬があります。

まとめ

頭痛では風邪やインフルエンザによる炎症だけでなく、体液の相対的不足による血管虚脱が大きな役割を占めています。頭痛の原因を考えて、食事、生活、サプリ、漢方や投薬で対処していきましょう。(爽心会 心臓クリニック藤沢六会 磯田 晋)