降圧薬の選び方 1 ARB、ACE、Ca拮抗薬

薬の種類を大きく分けて、ARB、ACE、Ca拮抗薬、利尿剤、β遮断薬、α遮断薬などがあります。それぞれのグループの特徴に加え、一つ一つの薬にも特徴があります。薬の名称は一般名(オリジナル薬の商品名)で記載します。

まずARBは効き目がマイルドで血圧を単純に下げる薬です。オルメサルタン(オルメテック)、テルミサルタン(ミカルディス)などがよく用いられます。ARBは副作用の少ないグループですので安心して使えます。弱点は最大量にしても効果が不十分になることのあることです。また、ARBで最も強力な薬剤であるアジルサルタン(アジルバ)は発売からの日が浅く、ジェネリックがない事がお財布には問題です。

ACEはARBのお兄さんのような存在で、エナラプリル(レニベース)が代表的です。心臓を保護する作用がβ遮断薬と並んで強く、心不全のある患者さんの寿命をそれぞれ30%ぐらい延ばすことができるのがポイントです。副作用の少ないARBよりも心保護の効果が強いので、心筋障害や心不全のかたには積極的に用いられますが、咳の出やすくなるのがACEの副作用で、この新型コロナの時代には積極的に使いにくい社会事情が残念ですね。

次はCa拮抗薬です。様々な性格を持つCa拮抗薬があり、脈を速くするものから遅くするものがあり、冠動脈を広げる力の強いものは冠攣縮性狭心症に用いられることもあります。よく用いられるアムロジピン(アムロジン)は強い降圧効果があり若くて元気な患者さんには向いていますが、脈を速くする効果があるため、時に不整脈を起こすのと、血管を広げるときにリンパ液が漏れやすくなるために血管浮腫を起こし、足や手のむくみ、歯茎のむくみをきたすことがあるのはアムロジピンを投与する医師は知っておく必要があります。脈を速くしたくないときはアゼルニジピン(カルブロック)が用いられます。冠攣縮狭心症治療で用いられる冠動脈を広げるCa拮抗薬では脈を速くするニフェジピンCR(アダラートCR)、脈を遅くするジルチアゼム(ヘルベッサーR)などがあります。脈を最も遅くするベラパミル(ワソラン)は頻拍発作の治療に用いられます。