採血結果の見方④ 炎症 血球 血小板 血栓

炎症

CRPは扁桃腺炎、肺炎、尿路感染などの細菌感染が起きた2-3日以降に上がる、体を修復するために蛋白です。抗生剤が効かないウィルス感染だけでは上がらないので、抗生剤を使用する指標として用いられます。扁桃腺炎なら2-3ぐらい、肺炎、腎炎や腹膜炎など重症になると5-10に上がり、20-30を超すと命にかかる可能性があるようにとらえます。白血球も炎症の際に上がりますが、CRPよりは少し早く1日で反応します。

白血球

体の中で細菌などを取り締まるお巡りさんのような存在です。体に起きた炎症により上がりますが、いつも多い方は体に慢性の問題がないか考える必要があります。太りすぎやコレステロールの高値など血管を痛める体質があると高めになりますので、白血球がいつも高めの方は体質改善を心がけましょう。白血球が低めでも通常は問題なく、むしろ長生きの方が多いです。感染や炎症で白血球が上がれば問題ありません、抗がん剤や薬の副作用で起きる白血球の一部である顆粒球減少は免疫が落ちますが、白血球の中の細かい種類を調べるとわかります。白血球はお巡りさんですが、白血球は自分自身を傷害する一面があります。町にお巡りさんが多い国は乱れているということですので、白血球は少なめがいいですね。

血小板

出血の際に血液を固める細胞です。これが少ないと出血しやすく、多いと血栓ができやすくなります。白血球と同じように血小板が多いということは体内が乱れているということを意味しています。

血栓

Ddは体内の血液が固まって溶けると出てきます。多いのはふくらはぎの静脈のよどみで起きる血栓でしょう。動脈は心臓の力で流れていきますが、静脈は筋肉の力で流れていきます。Ddが高い方は15分に1回かかと落とし5-6回、あるいは貧乏ゆすりをしてください。動物は4つ足で心臓と足の距離はさほどでもなく静脈にかかる水圧はせいぜい数十cmですが、人は立位になりましたので、1mぐらいの水圧がふくらはぎにかかって、弁と呼ばれるドアを壊しやすいので、ふくらはぎのよどみにお気を付けください。ふくらはぎの血栓は肺に飛んで行ってエコノミークラス症候群と呼ばれる肺塞栓を起こすリスクがあります。テレビを見ていてCMに時間はトイレに立ったり、かかと落としをやってくださいね。ところで心房細動のように心臓に血栓ができる方もいらっしゃいます。この血栓は脳に飛ぶリスクがありますので投薬が必要になりますのでご注意を。