採血結果の見方⑤ 心臓 甲状腺のホルモン

BNP

心臓の筋肉から出てくるホルモンです。心筋が負担を感じて、腎臓で水分と塩分を外に出してほしいというシグナルを送るのですが、これを採血で覗き見する検査です。20以下が正常ですが、3桁になるって300を超すと要注意、1000を超えると重症ですね。ところで葛根湯や補中益気湯などの漢方薬は体液を増やしますので、時にBNPを上げますが、2桁なら気にしなくていいと思います。また腎臓が悪いと体液がたまりますのでBNPは上がりますね、BNPが高い時は腎臓あるいは心臓に問題があるとお考え下さい。NT-proBNPもBNPと同様に用いられ、BNPの7-8倍の値を示すと思っておきましょう。

甲状腺

FreeT3やFreeT4は甲状腺ホルモンの指標です。正常を大きく上回ると、甲状腺機能亢進症、バセドウ病が有名ですが、動悸、息切れ、発汗、痩せ、眼球突出、手の震えといった症状を起こします。メルカゾールという甲状腺の機能を押さえる薬が必要となります。逆に大きく下回ると機能低下症となり、浮腫、倦怠、体重増加などを来しますので、ホルモンの補充が必要になります。軽度の場合はヨードが甲状腺ホルモンの原料ですので、海苔や海藻を積極的に食べると改善します。TSHは甲状腺を刺激するホルモンで脳下垂体から分泌されます。TSHが高い時には甲状腺ホルモンが足りないと判断されているということになりますので、これもヨードの摂取がお勧めされます。甲状腺は生き生きと生きるためのホルモンですが、過剰になると不整脈、特に脳梗塞の原因になる心房細動の原因になりすので時に注意が必要です。