肥満と減量 1.代謝、カロリー、糖質、満腹感
肥満コントロールは糖質制限と運動が基本です。
若いころは何もしなくても、いくら食べても太らなかったのに、20代後半から太りだすのは一般的ですね。腰回り10cmアップ、体重10kgアップは多くの方が経験することかと存じます。年を取ると基礎代謝が落ちていきます。1日100-200kcal程度の変動ですが、加齢で100kcal余ると25gの体重になりますので、食事が同じなら1年で9kg体重が増加してしまいます。ごはん1膳160gで270kcalですので、若いころ1膳食べた方は半膳にすればまあバランスが取れますね。問題は半膳にした分満足しない食欲をどうするか?でしょうね。人間はもともと食欲という生命維持に必要な本能を与えられています。性欲の存在が種を保存してきたように、食欲がなかったらやせ細って命に係わります。ごはんが好きという方は大勢いらっしゃいます、おそらくはごはんが速やかに血糖上げてくれることで脳に幸福感をもたらすせいでしょう。お菓子が好き、チョコが好き、丼物が好きな方も同じですね。気を付けないといけないのは、血糖が上がると膵臓からインスリンが出て速やかに血糖を下げて糖を脂肪細胞や肝臓に取り込む事です。そしてインスリンで下がった血糖で再び食欲が湧いて、また食べたくなってしまいます。ポテトチップやおせんべい、食べてちょっと経つといくらでも食べられますよね、これは糖質とインスリンのなせる業です。満腹感というもう一つの敵もいますね。
さて、そうすると高血糖に脳が慣れて、ちょっとした低血糖で強い食欲が起きる事を修正する事と、満腹感を満たす事、この2つがダイエットには必要ということになります。昔からやせたかったらゆで卵と言います。ゆで卵は消化に必要なエネルギーが大きいので吸収して得られるカロリーを上回るという意見があります。ゆで卵は白身が蛋白、黄身がコレステロールと脂質ですので、炭水化物、お菓子や果物と違って血糖が急速に上がりません、またインスリンもさほど出ません、蛋白から糖、脂質から糖に変化するには代謝経路が単純でないので血糖がさほど上がらないのです。蛋白と脂質ではインスリンが出ないのでなかなか血糖が下がりません、要するに腹持ちが良いということになります。ただし悪玉コレステロールの高い方は黄身にご注意を、卵は1日1ケまでがいいかもしれません。コレステロールと中性脂肪が気になる方は黄身を外してくださいね、白身は蛋白ですからご心配なく。さて高血糖による満足ですが、食事の順番が大事だと思われます。ごはんが好きな方は真っ先にごはんという方は多いのではないでしょうか?血糖が上がる前が食欲が強く、おいしく食べられますが、ゆっくり食べているとだんだん血糖が上がってきて食欲が落ちてしまうということです。ですからゆっくりよく噛んで食べると徐々に血糖が上がってきます、そこで最後に“しめ”を食べると血糖が上がって満足できるということになります。デザートも同じことですね。もちろん、最後に上げた血糖はインスリンの分泌を増やして脂肪を増やしますのでDietにデザートは禁物ですが、炭水化物は最後に採った方が糖質総量を少なくできますのでカロリーの制限には有効ですね。 さて満腹感の問題に移りましょう。こんにゃくはそのボリュームで満腹感を満たします。キャベツや野菜は胃の中でかさばりますね。その一方、人間はセルロースを分解する酵素を持ってないので野菜の繊維を消化できないため、ほぼカロリーが無く、繊維のかさがありますので満足感が増しします。これは胃が張ることがこれ以上食べないでというシグナルになりますので、お腹を膨らまさないと満足しない要素がありますので海藻や野菜の食物繊維で胃腸を張らせましょう。塩昆布、だしとごま油であえた病みつきキャベツなんてお勧めですよね。