肥満と減量 2.糖質制限 脂質 アルコール

カロリー制限と言いますが、同じカロリーでもタンパク、脂質、炭水化物とアルコールを含む糖質の中でも糖質と炭水化物は肥満に強く影響します。ブドウ糖と果糖はインスリンの分泌を促し細胞内への糖の輸送、すなわち脂肪細胞への糖の取り込みを命令しますので太りやすいですね。ところでご飯や小麦粉などの炭水化物は速やかにブドウ糖などに分解されますのでまあ、砂糖をとってるのと同じですね。小麦粉には1割前後のタンパクを含みますが9割前後は炭水化物ですからご飯と大差ありません。蛋白は糖に作り替えられたのちに脂肪になりますので太るためには向かない要するに太りにくいです。

脂質をとると太りやすいか?については諸説ありますが、まず脂質は1gで7kcal、炭水化物は1gで4kcalですから、トータルで考えると脂質はカロリーオーバーになりやすいですね。しかし吸収された脂質が体の脂肪細胞に直接吸収されるのではないようですので、脂質は必ずしも一番の敵ではなさそうです。例えばゆで卵は白身は蛋白、黄身は脂質とコレステロール、少なくとも黄身については、いかにも体に悪そうですが、肥満の1で申し上げたようにゆで卵は高コレステロールさえなければダイエットに向いているといわれていますね。脂質には体に有益な脂質と好ましくない脂質がありますので、良質な脂質を豊富に取ることが大事です。最も優れた脂質はEPAでイワシ由来の脂質です、よく通販で健康のために服用しているサプリですね。我々医師はEPAの処方薬を持っています。EPAを1日に300mgから2700mg摂取することで心臓や血管の健康を3割延長する効果があります。銀メダルクラスはサバなどに含まれるDHA、オリーブオイル、アマニ油、大豆油、ゴマ油などになります。オリーブオイルは比較的安価ですので、無理して高価なアマニ油を少量かけるよりは、オリーブオイルをたくさん採る方がいいと思います。加熱による変性の可能性が否定できないので加熱後にかけて食べるのが安全でしょう。他の脂質では肉の脂身、ラード、バター、マーガリン、揚げたスナックに含まれるトランス脂肪酸などが体に良くないようです。

さて次はアルコールです。アルコールは糖を2つに割ったものです。原料を考えれば当たり前かもしれませんが、コメ、麦、ブドウなどのでんぷん、麦芽糖や果糖を酵母などが分解して作るわけです。というわけで5%のアルコールのカロリーは5%分の糖とほぼ同じです。5%のビールにはアルコールのほかに5%ぐらいの糖質が含まれますので、350mlのビールを飲むと35gのご飯と同じで140kcal、大体30分の早歩き分のカロリーとなります。糖質ゼロにすればカロリー半分になりますから15分の早歩き分のカロリーですね。日本酒にはビールと同様にアルコールに加えて糖質が入ってますし、チューハイも糖質がはいってるものが多く、また最近はアルコール10%のものが多いのでアルコールだけで350mlのビールに匹敵するカロリーがあります。無糖でアルコ-ル薄目のチューハイなら糖質の多いビールよりはましといったところです。アルコールの場合は単純なカロリーだけでなく、飲めば飲むほど健康に悪いというデータが出ています。唯一赤ワインは1杯までなら不健康にならないというデータがあり、ポリフェノールがアルコールの毒を相殺しているのではないかと考えられています。ワインはアルコール濃度が11-14%と言われますので2-3倍の砂糖の入ってない炭酸で割ると薄目のチューハイになりますね。アルコールには利尿効果があるため、体を脱水にして、利尿の際に細胞や脈を整えるのに必要なカリウム、血管や神経を安定させるマグネシウム、体液保持に必要なナトリウム、塩分を体の外に出してしまいます。飲んだ後にラーメンを食べたくなるのはアルコールによる脱水、塩分の補足を補う為ですね。するとつまみにふさわしいのは、Mg、豆腐や海藻、K、野菜や魚、塩分は味噌ということになりますね。魚肉ソーセージと野菜の炒め物などもお勧めですね。