水をおいしく飲む

どのくらい水を飲んだらいいのでしょうか?と聞かれます。まあ食物に含まれる水分以外で、1-1.5Lぐらいの水分を摂取するのが一般的ではあります。水分の不足は体液の濃縮を引き起こして、血液濃縮、尿量低下、尿路結石が起こり体にいいことはありません。ではとればとるほど良いかと言えば、水分を摂りすぎると尿量が増えますので、尿中に塩分、カリウム、マグネシウムなどのミネラルを放出して血中濃度が低下して、低Naによる熱中症、低カリウムや低ナトリウムによる夏バテのような状態を引き起こします。何事も適度な摂取が大事です。

自分で水分摂取について気を付けるのは尿の色でしょう。尿の色が黄色あるいは褐色の時は水分が不足しています。体の水分が足りないと、腎臓は尿から水分を取り戻して濃縮した尿を排泄することで水分の喪失を防ぎます。

のどが渇いていると水はおいしいですよね、塩分を摂ると喉が渇いて水がおいしくなりますね。カレーライスを食べると水がおいしいですよね。辛い物を食べても水が飲みたくなりますね。アイスクリームショップには必ずお水が置いてあって、水を飲みたくなりますね。

チョコレート食べてものどは乾きます。お菓子を食べると飲み物を飲みたくなる。お茶うけに塩昆布を食べながらお茶を飲むとお茶がおいしい。これは浸透圧のなせる業です。体の浸透圧が上がると、水分を摂取して浸透圧を戻そうとする微調整が行われて、体液は一定の浸透圧に維持されています。お出かけすると水分と塩分を消費しますので、ちょっと喫茶店に入ってオレンジジュースを飲むことで糖が浸透圧を上昇させて、水分とともに体液を増やして循環の虚脱を回避して、再び楽しく散策を続けることができます。糖分だと大体10%がおいしく感じられます。ほとんどの甘い飲み物は10%程度の糖分の濃度です。体液と同じ浸透圧が糖分5%ですので、糖浸透圧よりちょっと濃いぐらいの糖質をおいしく感じるようです。

浸透圧以外にも水分摂取の味付けはいろいろあります。炭酸水は炭酸の刺激を刺激としてこれを水が整えることでおいしく感じるのでしょうか、辛いものを食べると水を飲みたくなるのと同じような具合でしょうか。氷水、温かい白湯はぬるめの水よりおいしく感じます。何らかの刺激がないと水はおいしく感じにくいようです。葛根湯や補中益気湯などカンゾウを含む漢方薬は、体液を増やそうとする働きを持ちますので、喉が渇きますのでおいしく水を飲めます。

演説する方の壇上には水が置いておりますね、これは話すことで呼気に多量の水分が放出されるために水分不足になるという事です。マラソンには給水所がありますね、汗や呼気に喪失する水分やミネラルを補充しないと体液不足で循環が虚脱して倒れてしまうのを防いでいます。

水を飲む人と飲まない人いらっしゃいますね。おそらく汗のかきかた、尿排泄量、食べ物、塩分などの具合が人により異なるのでしょう。

精神的緊張でも水を飲みたくなりますね。

アルコールでは利尿作用がありますから喉が渇きますね。コーヒーも利尿効果がありますね。何杯もコーヒーを飲むと水が飲みたくなります。塩分ナトリウムと並んで、カリウムものどの渇きをきたします。食事をするとナトリウム、カリウム、マグネシウムが体に入り、体が水分を求めますので、食事をしながらお茶がおいしかったり、水がおいしかったりします。

ところで、痛み止めを飲んだ時は腎臓に負担がかかることが多いので水は余計に飲んだ方が腎臓の為にいいですね。 まとめ:おいしく水を飲むには、食事、塩分、糖質、ミネラルの摂取、漢方薬などと共に水分を摂取することがお勧めです。体液の浸透圧、呼吸や発汗による水分量を考えて水分とミネラルをバランスよくとることが必要です。水分の量が十分かは尿の色を確認して、色が濃ければ水分が不足し、尿の色が透明なら水分が十分だと考えます。痛み止めの多くは水分不足で腎障害をきたしやすいので充分水分を摂取しましょう。(爽心会 心臓クリニック藤沢六会 磯田 晋)