体の痛み 内科にできる事 ① 栄養  

痛みは神経が感じますが、神経も体内の細胞ですので、細胞の環境に影響する、血の巡り、栄養、物理的圧迫、筋肉の状態、脳神経、内分泌の状態などの影響を受けます。頭痛、首の痛み、肩こり、背中の痛み、胸壁の痛み、腰痛、腕の痛み、足の痛みなど様々な場所に起こります。あなたの痛みは何で誘発されているのでしょうか?寒冷、ストレス、ブルーライト、脱水、偏食、筋力低下、ミネラルのアンバランスなどでしょうか?。

神経の栄養について

ビタミン: 神経の痛みに対して医師が処方するのはビタミンB12ですが、その有効率は50%ぐらいです。ビタミンB12は神経の修復に大事なものです。あえて薬を飲まなくても、豚肉に豊富に含まれていますので、豚肉を週1-2回取っておけばビタミンB12をはじめ、糖代謝に重要なビタミンB群全般を摂取出来ます。チョコレートや糖質の取りすぎで舌が痛くなったら、粘膜から吸収された多量の糖質がビタミンB不足で代謝出来ず、脚気の状態になって局所に乳酸がたまって酸性になり痛みを起こしていると思いましょう。次に神経修復に大事なビタミンは葉酸ですが、これは緑の野菜に豊富に含まれます。ところで皆様がお好きな、ほうれん草は尿路結石の原因になるシュウ酸を赤い根と全体に含みます。尿検査で潜血陽性が出る方は結石が尿路を傷つけている可能性がありますので、シュウ酸が入っていない、ほうれん草以外の緑の野菜を食べるか、ほうれん草では赤い根を落として、湯がいてシュウ酸を落としてから調理して食べましょう。

ミネラル: 神経修復にはミネラルも適正に保つ必要があります。ミネラルで大事なのはカリウム、ナトリウム、マグネシウム、亜鉛です。カリウムがないと細胞は夏バテのようになります。マグネシウムとカリウムは神経の安定要素ですので低いと不整脈、筋肉のけいれんを起こして痛みの原因になりますね。ナトリウムは塩分ですが、塩分が足りないと体液が減って血流が悪化して神経の血流が悪化して神経痛が起こりやすくなります。カリウムは野菜などのおかず、マグネシウムは豆腐と海苔、塩分は味噌汁や発酵食品から摂取しましょう。亜鉛が足りないと味覚異常や口の中の痛みを起こしますが、亜鉛は牡蠣やプロマックという胃の薬に含まれます。

脂質: 神経の手足である軸索には脂質が豊富に含まれます。神経修復と神経の血流維持には良質で豊富な脂質が必要です。魚、豆腐、大豆製品、オリーブオイル、ゴマ油などを積極的に摂取しましょう。

筋肉の栄養:神経と筋肉は密接な関係を持っています。痛みは筋肉痛からも発生しますし、神経の障害は筋肉の萎縮や拘縮を引き起こし、これがまた神経の障害と痛みを引き起こします。筋肉の環境には蛋白、ビタミンB群、ビタミンD、過剰でないコレステロール、適度の糖質が必要です。蛋白は魚、赤身肉、牛乳、豆乳、豆腐、練り物、魚肉ソーセージ、プロテインドリンクなどで十分摂取しましょう。悪玉コレステロールのLDLが高くない方は卵でコレステロールと蛋白を摂取出来ます。ビタミンDは日光を浴びることで作られますが、サケ、アジ、サバやキノコでも摂取できます。

体の痛みがあるときにただ痛み止めを飲むだけでなく、原因を探してみましょう。神経の環境に影響する、栄養、血の巡り、物理的圧迫、筋肉の状態、運動不足などを考えていきましょう。(爽心会 心臓クリニック藤沢六会 磯田 晋)