ブルーライトと動悸、胸痛、肩こり、自律神経

ブルーライトは1990年代に中村博士らにより開発された青色ダイオードが発生する光です。世界が消費する明るさのエネルギーを1/7に減らしたノーベル賞に輝く日本初の発明であることはとても誇らしいのですが、実は健康には相当悪いようです。最近対向車のライトが妙に明るくて辛くなりました。目のメラニン色素が落ちてきたせいと思い、自分の加齢を嘆いていましたが、最近ではLEDヘッドライトの増加と警察推奨によるライト上向きによる事と理解しています。

さてブルーライトは朝日に含まれる成分で覚醒と交感神経の緊張を引き起こします。まあコーヒーやエナジードリンクに含まれるカフェインと同じ働きをすると考えてください。ということは夜ブルーライトを浴びると、コーヒーを寝る前に飲んだようなもので、睡眠の質が落ちてしまうので、寝る1-2時間前はブルーライトを浴びないほうが良いわけです。皆さんスマホやPCを使いこなしていらっしゃいますが、ブルーライトカットの設定をしてますでしょうか?iPhoneでは「設定」から「画面表示と明るさ」からNight shift、microsoftPCでは「スタートボタン」「歯車マーク、設定」「システム、ディスプレイ」から夜間モードを用いて設定できます。自分は0時1分から23時59分まで1日中、ブルーライトを75%カットしています。ブルーライトをカットする前は外来で電子カルテを見ていると夕方4時には肩こりと頭痛で耐えられなくなっていましたが、今は75%カットで6時過ぎまで肩こり頭痛とはお別れできました。フィルムやブルーライトカット眼鏡もありますが、まずはモニターやスマホを設定するのがお手軽ですね。

さて動悸、胸痛、胸の締め付け、息切れといった症状は、自律神経の乱れから起きることが多いようです。最近多いのはコロナワクチンの接種後でしょうか、カフェイン、喫煙、飲酒、風邪などに加えてブルーライトが挙げられます。特にゲーム、緊張や集中を伴う場合には交感神経の興奮から瞳孔が開きますので、ブルーライトが目の奥の網膜を傷害しやすくなります。暗がりスマホもよくないですね、周りが暗いと瞳孔開きますのでブルーライトが刺さります。ブルーライトが交感神経を興奮させると末梢の動脈が収縮しますので首、肩など末梢の血流は悪化します。結果として神経の血行障害を引き起こし、肩こり、一過性の身体麻痺、激しい頭痛や眼痛を引き起こします。血行障害からくる肩こりや眼痛はロキソニンなどの薬が効きにくいのが問題です。自分でできるのはまずは休息、適度な運動や体操、水分補充、電解質の調整です。血行を改善する電解質は、カリウムは野菜、マグネシウムは豆腐海苔海藻、塩分は味噌汁や発酵食品ですね。飲み物ではOS1、イオンウォーター、ゼロアクエリアスのような経口補水液がお勧めです。神経を改善するビタミンは野菜ジュースとビタミンB群を含む豚肉がお勧めです。ビタミン剤はよく宣伝されていますが、食品と違って水分、電解質、繊維、タンパク質などを全く含みませんので必ずしも同等でもなければ優れているとも思いません。正直なところCMで、疲れたらビタミン剤、というのを聞きながらちょっと詐欺まがいかもと感じています。また野菜ジュースに含まれるわずかなカロリーは良好な食物繊維なので体調管理に有益です。

まとめ、肩こり、頭痛、目の痛み、自律神経の乱れは、ブルーライトをカットすることで改善できることが多いので試してみてください。(爽心会 心臓クリニック藤沢六会 磯田 晋)